受付カウンターで見たい映画を言うのだけど、もごもごするばかりで、上映表を指さして「これ」とやってしまった。なかなか過激なタイトルで、ボカして表現しようかなっと迷ったけど、映画の内容はいたってまじめ。あえてそのままのタイトルを使うことにした。
この映画は、新米教師と思春期の男の子の成長を描いたものだと感じました。新米故に生徒を掴みきれず、あらぬ約束をさせられてしまった新米先生。その約束を実現させようと発奮する生徒。思春期だもん、そんな事に目くじらを立てるのはヤボというもの。笑い飛ばせるだけの度量が欲しいところだけど、教育的配慮故か、結果的に新米先生には厳しいものになってしまった。
試合で第1セットは落としたのもも、先生の登場で第2セットはモノにした。だけど第3セットを落としてしまった。第2セットから第3セットの試合は「キャプテン」の墨谷二中と青葉学園のそれとダブった。試合に負けたので念願は叶わなかったのだけど、負けたからこそ先生の心のそれは見る事が出来たんじゃないかな。卒業して何年経っても同窓会などで集まれば必ず話題になるだろうし、いつまでも忘れることのない中学時代の思い出になることだと思う。また新米先生もこれを糧にして教師として成長できたと思うのだけど、厳しい現実を受け入れざるを得なかったのは残念に思えた。短い付き合いであっても、生徒にとっても当の先生にとっても忘れられない事のように思います。
背景となった1979年は学校、特に中学校、高校が急速にカクカクシカジカ、カチカチコチコチになりつつあった頃ではなかろうか。ピークは80年代の終り頃で、その後次第にゆるくなっていったように感じているけど。この映画は69年では成り立たないだろうし、89年でも成り立たない。99年でもどうだろうか。09年ではそっけない?
時代確証もしっかりとやっている映画で、登場する車は当時の物。新しくないし、古過ぎ無い。だからといって、普段はほとんど見る事の出来なくなった車が登場している。セリカ、サニー、セドリック、車名がわかるのはこのくらいだけど360ccの軽自動車も登場しているから、当時の車が好きな人にはたまらないかもしれない。コロッケ60円、銭湯170円。その頃はこの値段だったんだろうな。タイレル6輪とか冷蔵庫、電話ボックス、おもちゃ屋を覗いている子供達…。そんな観点から見ても興味の尽きない映画でした。ややセピアがかった映像(そう思えた)も、当時のフィルムで撮りましたよと演出しているのだろうか。
この映画は実話をもとにして作られたそうだから、原作本を読めば先生や生徒の“その後”もチョット書いてあるかもしれない。帰りに本屋に立ち寄ってみたけど置いてなかった。
最近のコメント