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MOTO GUZZI 試乗

 昨日はMOTO GUZZIを試乗してきました。2年間輸入が途絶えていたMOTO GUZZIですが、日本の規制に合わせたモデルが輸入されるようになり、その試乗会が輸入元である福田モータースで行われました。百聞はナントカやらで、試乗記を100回読むより実際に試乗してみることにこしたことはありません。福田モータースに到着して手続きをし、早速試乗です。

 試乗コースはお店から甲州街道を環8へと走り3角形にターンして戻ってくるというものです。距離にして、メーターで確認しませんでした、8km位でしょうか。もちろん公道試乗ですから万が一の事も気になるところ。無料試乗にもかかわらず対人無制限、対物・搭乗者傷害それぞれ300万円と任意保険に入っていて安心感がありました。だけど車両保険は点点点…。試乗車は高価なバイクでもちろん不慣れなバイク。有料にしてでも車両保険もあれば安心感が更にアップ。以前の試乗では有料でしたが、試乗車を破損させる事があってもある程度に金額以上の費用ははかからなかったと記憶しています。それでも試乗車に任意保険まで入っている例は今までの経験上ほとんどなく、壊したら弁償、何かあったら自己負担を強いられ、いつも試乗はある種の“勇気”を要するものです。その点、福田モータースの試乗は安心感が、完全でないにせよ、ありました。尚、試乗にあたっては先行車は付随しません。各々のペースで試乗が出来ます。先行車というのも案外と曲者で、かっ飛ばすタイプの人だと追い付くのに必死。以前某メーカーの試乗会でそのテのタイプの人に当たってしまいました。先行する、文字どおりの“先行車”に追い付く為にアクセルを大きく開けて、大きな声で言えない(書けない)ハメになった事があります。


 写真はV7 Cafe Classicです。粋なデザインですね。実際に試乗したのはV7 Classicですが、動力性能は同じです。跨ってみるとシートが硬い感じです。サスペンションも新しい故かどうかはわかりませんが、1Gではあまり沈みませんでした。気になる足付き性ですが、私の身長168cmでは両足べったりとはいきませんでした。片足でも踵が少し浮きます。それでも足付き性は問題ありませんでした。エンジンをかけて空ぶかしすると、車体が右に振られます。MOTO GUZZIのエンジンレイアウトならですね。もちろん右側にバタンと倒れるほどではありません。

 4~5年前、福田モータースの試乗会でBreva750に試乗した事があります。最高出力48psという数値を聞いて「えっ!?」とその低さに驚いてしまいました。でも実際に走らせてみると小気味よく走るので好印象を持ちました。更に2008年の3月か4月ごろ、お台場で行われた試乗会で再び試乗して、やはり好印象を持ちました。Breva750とV7は動力性能としては同じと考えてよいバイクです。この度、日本の規制に合わせた為、48psから40psに低下してしまいました。試乗してその影響を確認しようとしましたが、ハッキリわかるほどの違いは無いように感じました。まぁ、加速減速を繰り返してよくよく確認してみると、若干小気味よさがスポイルされているかなとも思わないでもありませんでした。それでもアクセルをグイッと開けると充分よく加速しますし、一般道を免停速度以下で走る分には充分な性能があるように思いました。

 タイヤはバイアスタイヤで、フロントシングルディスク。維持費が安く済むのも魅力だと思いました。左右2本出しマフラーで見た目もいい。Breva750にオプションであるセンタースタンドが取り付け可能かは未確認。スポークホイールではなくてキャストホイールにしてチューブレスタイヤを採用して欲しいところです。雰囲気じゃないかもしれませんけど。またこのエンジンを使ったオフロードモデルがあればいいなと思いました。


 Griso 8Vです。OHC4バルブ1151ccエンジンを搭載してます。もちろんV7よりパワフルで、空ぶかしした際の“グラリ度”も強い。ニーグリップした感じはチョット違和感があるかなぁ。シートは硬め。硬めのシートもMOTO GUZZIの特徴でしょうか?足付き性もV7同様で問題なし。スピードメーターが液晶表示。気になるエンジン熱も外気温18℃(メーターに表示される)では、脛に熱を感じるけどさほど気にならない。夏のカンカン照りではどうかなと思う。エンジン越しに向こうを見ると空気がユラユラとしていて、放熱している様子がわかる。一般道を走っている限りでは振動で手がしびれる事もなさそう。高速道路ではわからない。

 ショールームにはスペシャルエディションも展示されていて、シブいグリーンのカラーリングでいい感じ。スポークホイールだけどチューブレスタイヤを装着。


 DUCATI M1100S。福田モータースはドカティの取扱店でもありますので、試乗車がありました。最新鋭のドカティにも試乗してみたかったのです。ドカティに試乗するのはムルチストラーダ1100以来です。

 エンジンはパワフルでデスモドロミックらしく軽やかな回り方。最新鋭の空冷2バルブエンジンですが、そのフィーリングのホンの僅かな一部分にST4sの旧型水冷4バルブエンジンと同じものを感じました。扱いにくさは4気筒エンジンのそれには及ばないまでもほとんど無く、技術の進歩を実感。加速と減速を繰り返すような使い方をすると楽しいエンジン。

 4車共アップライトなポジションですが、もっとも前傾が強く、シートも前のめりで落ち着きがありません。このバイクの性格がよく出ていると思いました。見た目は気楽なバイクのように思えてもそこはドカティ、しっかりとスポーツバイクしてます。またヘッドライト上の“ミニチュアカウル”に微笑ましさを感じました。


 1200 SPORT 4Vです。跨った瞬間これはいいと思いました。弾力のあるシートはお尻に優しく、腰にも優しい。ニーグリップもMOTO GUZZI 3車中もっともしっくりくる。Griso 8Vと同じエンジンを搭載したバイクですが、カタログによると出力ならびにトルクが違います。出力は下ですが、トルクは上。試乗した限りでは違いはわかりません。

 メーター照明もきれいで、燃料計付き。インジケーターランプをよく見るとABSがあるではないか!ABSがあれば安心感が違います。信号待ちで試しにスイッチをオフにして、再びオンにするとアレレレレ。一瞬間をおいてからインジケーターランプが点灯します。故障かと思っちゃいました。

 試乗したMOTO GUZZI 3車種の中で1番気に入ったのがこのバイク。このまま家に帰りたくなりました。気になる独特のクセですが、エンジンを空ぶかししたり、走行中でもクラッチを切ってエンジンを空ぶかしすると車体が右に傾むこうとします。ところがクラッチを繋いで駆動力を後輪に伝えるとグラリと右に傾こうとする力が直進しようとする力に変わるような感じがしました。僅かでも駆動力を後輪に伝えていれば、試乗した限りでは右に傾くとは感じませんでした。

 MOTO GUZZIのバイクにはこれといった“花”が無いように思いました。出力数値が高いわけではないし、取りたてて軽量でもないし、コーナーリングマシンでもない。デザインも通好み。独特のエンジンレイアウトによる存在感は高いけどそれだけで、他に何か…。でも実際に走らせてみると“花”はなくても“実”がある、一般道であれ高速道路であれ淡々と走らせるのが楽しいバイクだなと思いました。独特のリズムに身を委ねて走らせるのが楽しいバイクだと。ドカティが、私見ですけど、加速と減速を繰り返すのが楽しいバイクであるのに対して、MOTO GUZZIはその反対。

 試乗中自分なりに気になるところ、高速走行中エンジンの振動がハンドルに伝わって手がしびれないかもチェックしたかったのだけど、これは出来ませんでした。前後左右にそれらしき車両が無いかを確認してから高速走行もどきをしてみたけど、僅かな距離ではわからず終い。でもこれって、とても重要なチェックポイントだと思うのです。手がしびれてしまっては、ブレーキ操作がままなりませんから。

 福田モータースに戻って1200 SPORTを返却。ABSを確認しようとブレーキ廻りを見たけれど…、ない。ない。ない。ABSが付いてない。ABSランプがあってもABSの無いバイクなんて初めて見たぞ。

 帰路、ST4sを運転しながら考えました。MOTO GUZZIといえども新しいエンジンの方がいいな。だとしたら1200 SPORTの兄弟車といえるNORGE1200、これの中古を気長に探した方がいいんじゃないか。まだまだST4sに乗り続けよう。

 帰宅してから雑誌を開いてみた。ところがNORGE1200はOHV2バルブエンジンである事がわかった。最新のエンジンとはいえない。となるとやはりV11 Le Mansが気になってしまう。う~ん、どうしようか。振り出しに戻るのでした。

 ST4sの走行距離41.2km。試乗した距離はわかりません。腰に痛みは感じませんでした。

10月28日追記

Griso 8Vと1200SPORTの規制前のモデルには乗った事がありません。したがいまして、私には規制前と規制後の違いはわかりません。
 
 

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