11回目の沖縄 その7 coi-na LIVE ~final~ 「心くみてぃ」
ライブは楽しみであっても、ファイナルは楽しみではない複雑な心境のファイナルライブ。
時の流れとはある意味残酷なもので、とうとう“その時”が来てしまいました。
coi-na LIVE ~final~ 「心くみてぃ」
ラストの最後、夜の部が間もなく始まろうとしています。
那覇市てんぶす館。4階にあるてんぶすホールまで一歩、一歩階段を上って行きました。
開場は18:30でしたが、すでに客席にはたくさんのお客さんがいました。最前列でズラ-ッと並んでいるのは熱心なファンのように見受けました。中央やや後方寄りに空席を見つけて座ります。
後から後からお客さんが来て、空席が埋まっていきました。客席がほぼ埋まった定刻の19:00、ゆっくりと照明が落とされました。そしてステージに照明が灯され、coi-naの3人が登場しました。とうとう最後のライブの始まりです。3人とも瞳がキラリ、キラリと輝いていて、涙を溜めているように感じました。
1曲目「世願ぇ」。アメイジング グレイスを新たに沖縄の言葉に替えて唄うこの曲。言葉はどうであれ、厳かな気分になります。松戸の関東ラストコンサートでも唄ったようですが、開演時間に間に合わなかった。だから生歌で「世願ぇ」を聴くのはこの日が初めてになり、そして最後となりました。
2曲目の前にメンバーの自己紹介です。左の方が「△△町出身の□□○○と申します」と言うと、「○○ッ、○○ッ、○○ッ…」と最前列のファンが叫びます。右の方も同様で、中央の方だけは苗字で叫ばれてました。関東地区でライブをやる時の儀式との事でした。もちろん初めて聞くもので、同時に最後となりました。また雨の中、来場したお客さんに、「皆様、お足もとは大丈夫ですか」と気遣ってくれるのでした。
2曲目は「汗水節」です。松戸でのラストコンサートの時、ホールに入ると同時に耳に突き刺さったのがこの歌ではないかと思うのです。耳に突き刺さって、鳥肌立って、これはすごいと感動して。1部が終わると同時に会場で売っていたCD・DVD全部買ってしまった(ちょっと悩んだけど…、所持金8000円だったんで)。
3曲目「天の白鳥」。coi-naの歌は心の中にグングン入り込んでいきます。声、曲、詩がすごくよくて。それがどんなものか、拙い文章力では表現出来ま…、せん。
4曲目「想い空」。作詞coi-naのオリジナル曲。女性の視点から書かれている歌詞ですが、男からみてもじぃ~んとなる曲です。歌っている途中で、持ち直しましたが、左の方がこみ上げるものに耐えられなくなったのか泣き顔になってしまい、声が出なくなってしまいました。それを見た時、今日が最後なんだなと実感しました。
5曲目「谷茶前」。演奏は無しで歌うこの曲。1人ずつ、少しずらして歌うこの曲は螺旋的に聞こえ、不思議な感覚になります。
6曲目「Air」。作詞coi-naのオリジナル曲です。例えば北海道に行って、あっちこっち駆けずり回って。出会いあり、感動あり、笑いありと思い出を蓄積して、とうとう迎えた最後の日。フェリーターミナルのある最終目的地の苫小牧まであと130km、120km、110km…と残り少なくなっていく時、リピートで繰り返し聴きたくなる曲です。この時の心境は文字では表せられないけれど、曲の雰囲気とその時の心境がシンクロするのです。
会場では解散する3人への色紙が回っています。自分のところにはその内の1つが来ました。松戸でのライブが初めてという事と、今日のファイナルライブが2度目という事を書いて…いる途中で照明が落とされ、2部が始まりました。2部では衣装を替えての登場です。
1曲目「天咲ぬ花」。沖縄出身のアーティストのライブではよく聴く事のある歌です。教訓歌ということですが、その意味するところ、かなり耳が痛いのです。
2曲目「遠い夏」。coi-naの前身、「天咲」としてのデビュー曲。沖縄での地上戦を歌ったこの歌を、この日はウチナーグチバージョンで歌いました。もちろんこれも最初にして最後でした。矢野憲治さんがギターを、杉内信介さんがキーボードを、島幸子さんが三線を演奏しました。天咲からcoi-naに至り、デビュー前からこの日まで育ててきた方々と見受けました。時には優しく、時には厳しく、這えば立て、立てば歩めで育ててきたことだろうと。今日のファイナルライブはその“子供たち”の旅立ちの日。“お兄ちゃん”の笑顔、“お父さん”の優しい眼差し、“お母さん”の寂しげな表情が印象に残りました。
3曲目「島立ちの歌」。沖縄のある島では進学や就職で島を離れなければならないとトークで言っていましたが、その“ある島”とは鳩間島の事を言っているのかなっと思いました。「加治工勇ライブ」でも同様の事を言っていたからです。進学や就職の為に島を離れなければならない事は実際に聞いた事があります。
4曲目「ふくらしゃ」。男女の恋愛を歌った歌。何だかほのぼのとした感じになりますね。
5曲目「五穀豊穣」。ここからは沖縄らしくノリノリに盛り上がってきました。
6曲目「豊年音頭」。
7曲目「唐船どーい」。このあたりは沖縄ライブでの定番です。盛り上がりのピークです。客席から立ちあがってカチャーシー、カチャーシー。でもこれが難しく、うまく出来ません、いや全然できない。どうしても“ワイパー”になってしまいます。それでも面の皮ブ厚く“カチャーシー”するのでした。
アンコール
「沖縄へ行こう」。これを聴くと沖縄へ行きたくなります。実際に来てるけど。関東ラストコンサートのように太鼓関係者が演舞!というのはありませんでした。もう1度見たかったなぁ。歌詞の中にある「大好きな君と沖縄へ行こう」を、「大好きな○○と沖縄へ行こう」とメンバーの名前に言い換えて大勢のファンが合唱するのでした。
「来訪神」。あと、もう僅か! 一言一言、丁寧に丁寧に歌ってます。そしてそれを忘れないように聴いているのです。
「心くみてぃ」。この歌が最後でした。いけない事なんだろうけど、アップなんてとんでもない事なんだろうけど、写真、撮ってしまいました。
最後の曲「心くみてぃ」、万感の想いを込めて熱唱中。曲の合間に「皆様、本日はコイナライブ ファイナルにお越し下さいまし、ありがとうございました」と言われると、もう本当にこれが最後なんだなっと改めて実感。悲しみは唄って忘れましょう、喜びは皆さんに知らせましょう。“coi-na sound”を聴けるのも、「心くみてぃ」が最後なのでした。入場時に渡された“光棒”を取り出して、左右に振ります。本当に、本当にこれが最後なのでした。
歌い終わると、客席に背を向けて寄り添ってましたね。胸中、如何ばかりだったのでしょうか。
今までの想いを述べてました。声が詰まって出なくなると、他のメンバーが「がんばれ~」と励ましながら…。
「11回目の沖縄 その8」に続く
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