お祭り
縁があって、お祭りに参加しました。もう少し具体的に書きたいところですが、ちょっと大雑把に。まぁ、自分にだけわかればいいやと手前勝手に書くことにします。
ブログにも少しアップしてますが、春から秋にかけて少しずつ準備作業は進められていました。作業日も毎週あるわけではなく、月に1回か2回ぐらいの土日でしょうか。もちろん平日の作業もありましたし、会議等も平日に行われてました。自分は平日には参加せず、土日の作業日のうちの日曜日だけの参加でした。時には予定していた土日のうち、土曜だけで終わってしまい、日曜の作業が無くなってしまった事もありました。全作業のうち半分以下、もしかしたら3分の1も参加していないのかもしれません。着々と準備は進められ、そして今年1月、いよいよお祭りウィークを迎えたのでした。
実質的な準備作業は既に始まってます。秋に山から切り倒してきて養生してある御神木を雪の中から掘り出します。御神木は5本あって、その内3本はすでに会場に運ばれてます。自分は13日からの参加でしたが、12日の夕方に現地入りしました。会場の前を暗くなってから通ってみると、煌々と照明を点けて会場の準備作業が行われていました。まだやっているんだなぁっと思いつつもこの日は作業に参加せず、自分自身の準備。必要なものを用意して、着用する衣服に防水スプレーを吹きかけ、明日に備えました。
翌13日の集合時間は7時40分。大体その時間に会場に行ってみるとビックリ!もう始まっているではありませんか!事前の取り決めで集合時間の20分前に集合となっていたので遅刻では無いはずなのですが…、もっと早く来い的な事を上の人からチクリと言われてしまいました。
係によってまちまちなのですが、自分はすぐに山に向かいました。まずは御神木の養生シートをはがし、厄年の人に振る舞う御神酒の準備です。縄を適当な長さに切り、一升瓶に徳利結び(といったかな?)で結びつけます。初めてやる作業なので見よう見真似。それから山を下って不必要になったものを倉庫に入れ、再び山に上がり時間が来るのを待ちました。だけどただ待っているだけでは寒いので、近くの食堂のご厚意でお酒、ビール、おつまみを頂きました。
時間がくると厄年の人たちが御神木を引くために集まって来ます’(「里曳き」といいます)。自分はその人達にお神酒を振る舞うのが役目でした。御神木が引っ張られると御神酒を振る舞います。どのくらいの量が適当なのか判断できません。テキトーにコップに注いで飲ませてました。沿道の方々から御神酒、または金一封を頂くのでその方にも御神酒を振る舞います。さらに余裕があると観光客にも御神酒を振る舞いました。所々で立ち止まっては「○○様より、御神酒○本頂きました」と発表します。1つ1つ記録し、頂いた御神酒は軽トラックへ。人手が足りないので、御神酒を注ぐ傍らその手伝いもしていました。
御神木が会場に到着すると厄年の25歳の人はそこで解散。それ以外の人は御神木の根元を保存会さんの指示、作業のもと、差し込みしやすいような形状にしてから解散となりました。その後は同年代で飲食してその日は終了。それから閉店間際のお店に飛び込んで防寒グッズを買い揃えました。やはり寒くて足は冷たい手は冷たいで、風邪ひきそう。翌日の作業に支障が出ると思ったからです。雪国グッズは雪国で買うのが一番だと思いました。
14日は6時30分に集合、社殿の組立て。穴を掘って御神木を立てます。係りの仕事があるのでその傍ら見ていました。係りの仕事としては縄を32mの長さに切り、それを4本一組にして結います。さらにそれを3本一組にして結って、胴締縄を作ります。胴締縄は3本作りました。大声を出しながらの作業で、声ガラガラ。この日から東京に戻るまで声がガラガラのままでした。係りの仕事が終わると社殿の組立て作業に参加しました。
寒い上に作業内容はハード。昼食も夕食もお代わりして“満タン”にしておかないとバテテしまいそうです。
社殿の組み立ては保存会さんの指示の下で行われます。桁、隅木、垂木を「よいっやさぁのさぁ」の掛け声のもと引っ張りあげ、見た目よさそうに位置を割り振り、縄で縛ります。大体2人1組になって縛っていきました。縄の縛り方、繋ぎ方も事前に練習しているのですが、なかなかどうしてうまくいきません。大勢で悪戦苦闘しながらようやく形が出来上がったところでこの日の作業は終了となりました。時計を見ると午前2時過ぎ。寝たのは3時頃になりました。
15日も6時30分に集合。この時間に間に合うようにするには1時間前には起きていなければならず、睡眠時間は3時間もありません。この日は眠気との戦いになりました。15日は本番なのですが、まだまだ作業は続きます。この日の作業は“飾り付け”といったところでしょうか。写真はその作業風景です。係りの仕事としては松明を会場に運び込んだり、滑らないように足に巻き付ける縄を用意しました。更に手が空いている時は他の係りの仕事を手伝います。
地元の小学生、幼稚園児等のおチビちゃんも先生に引率されて見学しに来ます。「○○君じゃない?」と声を掛けられ、思わぬところで同級生と再会しました。更には組立作業を見学している観光客にも質問されました。わかる範囲で答えましたが、アレでよかったのかな?
社殿が完成し、お祓いを済ませ、攻防戦の準備が終わったところです。同年代で役割分担を確認します。人数的に不足なので1人何役もやらなければなりませんでした。あれもこれもとあるのですが、初めての参加です。うまく出来るか不安を持たざるを得ません。無線の指示で照明を消す。照明器具を片付ける。火元送りの人にビールを配る。簡単なようでもその場になると意外と手間取ってしまうものです。
25歳の厄年の人が社殿の下に集まり、本厄の人が社殿に上ります。写真はその前々段階。社殿に上がっているのは本厄の1つ上の方です。「あんちゃんしょ」として準備段階から何かとフォローしていただきました。次に見習いが社殿に上がりました。そして本厄が上がり、お祭りが始まります。
火元から火がやって来て、火元社殿が燃やされます。そこで松明に火を点けて、社殿を燃やすべく攻防戦が始まりました。攻防戦に参加できる人は地元の人のみです。まずは子供達から、それから大人たちです。中には興奮のあまり火の中に入り込んでしまう人もいました(中心部ではないけれど)。ごく短時間だけなら燃える事はないのですが…、かなり熱いだろうと思います。でも本人は何も感じてないのかもしれません。
この火元社殿も火送り人によって少しずつ社殿に近づいていきます。かなりの熱さです。ビールを手にかけてくれと頼まれたりしました。これが社殿に移動するまで攻防戦は続きます。写真は役目をしつつその合間に撮ったものですので、わかりにくいと思いますが…。
押し込まれた火元社殿によって社殿が燃やされました。時には攻防戦の最中に社殿い火が点いてしまう事があると聞いたような覚えがあります。そして灯籠も燃やされました。
お祭りはここでクライマックスを迎え、終焉を迎えます。だけどまだまだ作業は続きます。炎の勢いを鎮めなければなりません。濡らした古畳を会場に運び上げ、所々積み上げておきます。それから大勢でスコップで周囲の雪を掘り、炎の中に運び入れます。雪といってもサクサクとした雪ではなく、踏み固められてしまってカチンカチンです。掘るというより突っつくといった感じで、僅かしか掘れません。早く早くと急き立てられるので、足を突っつかないように注意してました。
炎の勢いが弱くなった所に先ほどの古畳を敷き、通り道にして雪を中心部へ運びます。更に更に中心部へと進み炎を鎮めます。社殿はすでに燃え崩れていますが、御神木はまだ立ちそびえたまま。その御神木を切り倒して作業は一段落。見習いはこの辺りで解散になったと思いますが、火の番は一晩中続くそうです。
16日の朝の風景です。地元の人達が餅を焼きに来ています。小学生も授業の一環として来ていました。この日は9時40分に集合。前日とは打って変わり、のんびりしてます。この日の作業は片付けでした。各係ごと、役目を分担して片付けます。単管パイプを外したり、各道具・資材を倉庫にしまったり、燃やせるものは燃やしたり…。会場は公道を雪で埋めて使用しているので、そこだけは除雪車が登場して除雪しました。個人の所有地もありますので重機、及び手作業で除雪します。
作業が終わり、解散となってから撮った写真です。なんだか“強者どもが夢の跡”みたいな感じです。火はまだ燃えています。実際のところはまだ片付け作業が残っているのですが、それは暖かくなって雪が融けた時に行います。その後は同年代で慰労会をやり、そして二次会へ。
翌日は寝て起きて、起きて寝ての繰り返し。本を読みながら繰り返していました。読んでいた本は「脱獄王」。網走監獄の売店で買った本です。夕方からは全体の慰労会。そして二次会。翌日の17日に東京に戻りました。
期間中、特に注意していた事は体調管理でした。僅かでも体調に違和感を感じると、すぐに対策。喉薬を塗ったりしていたものです。風邪ひいて寝込んでしまったのでは、悲惨でしかありません。寒くもなく熱くもなく、コンディションのいい状態でいるのは難しいものでした。
参加するに当たってはやはり仕事を休まなければなりません。本人の意欲も大事ですが、勤め先の理解も必要になりますし、業務形態も重要です。昨今の暗いニュースのオンパレードでは休暇を取るのも容易ではありません。重要無形文化財ということで若干は理解を得やすくなった思うのですが、オレだけじゃないんだなぁっと休みの取りにくさを感じさせられました。
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